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エンジンオーバーホール

 

 MDは払い下げられる時点で、走行距離5万キロ、6万キロ又はそれを更に上回っている物がほとんどです。この先も長くMDと付き合いたい方は、是非一度エンジンのフルオーバーホールをお奨めいたします。

 バイクのエンジンは車などに比べ高回転の設計でありますし、郵便局の方は当然かなり回して乗っていますから、この位の走行距離になりますと、エンジンのダメージも相当なものである事が想像出来ます。

 パワーダウンを感じているMDユーザーの方は多いのではないでしょうか?

 以下は当社のエンジンフルオーバーホールの内容です。

 その他ホンダエンジン、カブ・モンキー・CD・DAX・JAZZ・CL90・CS90等にお乗りの方も参考にして頂けると思います。

 

@ エンジン脱着

エンジンを車体から切り離します。また、エンジン完成後には車体に搭載いたします。

エンジンのみを送られる方は、お客様ご自身でエンジンを脱着していただくことになります。

慎重に作業を行いましょう。

A エンジン分解

エンジン内のをすべての部品を分解します。

何万キロと走ったエンジン内にはパーツの隅々まで汚れが行き渡っています。

また、パーツ一つ一つを手にとって点検・計測するためには全分解が必須となります。

B 各部点検・計測

シリンダー・ピストン・クランクシャフト・ベアリングなど各パーツに異常磨耗・クラック(割れ)が無いか点検をします。また各パーツの寸法・クリアランス等が適正かを点検・計測します。

この工程で要パーツ交換が判明しますので、正確なお見積もりが算出できます。

C 部品洗浄

エンジン内にこびり付いた汚れや金属粉は各パーツの作動に大変悪影響を及ぼします。

この汚れを専用洗浄液で丁寧に洗い落とします。

D 燃焼室カーボン落とし

燃焼室やピストンには頑固に焼きついたカーボンがびっしりこびりついています。

このカーボンにより、圧縮比が設計値と異なり、異常燃焼などを引き起こしてしまいます。

そこで、特殊なケミカルを用いてカーボンを溶かし落として綺麗な燃焼室に戻してあげるのです。

E バルブ擦り合わせ

走行距離が多いエンジンはバルブがしっかり閉じていない物が多く、(バルブの磨耗や、カーボンの噛み込みなどにより)そのために圧縮が逃げパワーダウンを引き起こしてしまいます。

そこで、バルブシートの擦り合わせを行い、バルブがしっかり密着するように修復します。(状態によっては、バルブ交換、シートカットなどが必要になる場合もあります。)

F IN側ポート段差取り

当社のオーバーホールは、ここまでやります!こだわってます!

MDのIN側ポートは製造時点で大きな段差が付いてしまっています。これでは、吸気の流れが大きく乱れパワーの低下・燃費の低下の原因になってしまいます。

そこで、その段差を取り除き、混合気がスムーズに燃焼室内に流れ込むように修正するのです。

G ガスケット、OILシール類一式交換

 

 

H エンジン組み立て

パーツを一つ一つ組み上げる度に作動確認し、丁寧かつ心を込めて組み立ていたします!

I プラグ交換・エンジンオイル注入

 

  J 試運転での最終チェック・調整

実際に完成したエンジンをバイクに搭載して走行テストを行います。

エンジン各部からオイル漏れが無いか、異音が無いか、シフトなど動作部分に不具合が無いかなど細かくチェックします。

 

 以上がMDエンジンにおけるオーバーホールの基本作業工程です。

 基本作業工賃(ガスケット・部品代は含まれません)

 *エンジン単体で作業依頼の場合は、完成後車両搭載試運転点検、梱包作業等の為¥10,000−(税抜き)が別途必要になります。

MD50・70 ¥60,000円(税抜き)
MD90 ¥65,000円(税抜き)

 

 上記作業工程以外で新たに作業の必要性があるもの、おすすめオプション等もあります。下記をご覧ください。作業は代金別途となります。

 

・バルブシートカット

バルブは何度も開閉を繰り返し、シート面は磨耗によって接触面積が大きくなり、やがて面圧の低下で燃焼室の気密性が低下します。

こうなるとバルブの擦り合わせではどうにもなりません。

専用工具でヘッド側のシート面をカットし修復する必要があります。

作業工程の「点検・測定」で必要性があるか判断いたします。

加工費 ¥6,000円(税抜き)
・キャブレターオーバーホール

エンジンをリフレッシュさせてもキャブレターに不具合があっては調子良く走行できません。

キャブレターもオーバーホールしてリフレッシュしてあげましょう。

OH工賃(ガスケット一式込・その他交換部品代別)

¥10,000円〜(税抜き)

・エンジンウエットブラスト加工

エンジンの外側表面に研磨剤を含んだ液体を高圧で吹き付けることにより、エンジンはほぼ新品の様な輝きになります。

加工箇所はヘッド(ヘッドに付属するカバー類)・クランクケース・クランクケースカバーになります。

車両を全塗装などで綺麗にされた方にはぜひお奨めします。

加工費 

MD50・70¥22,000円(税抜き)

MD90¥26,000円(税抜き)

 

・ミッション4速化

せっかくエンジンを全分解してもらうのなら、一小細工したい!というのは多くの人が考えてしまうもの。

例えばミッションを3速から4速へ!これであなたのバイクがより1速、いや一層楽しくなります!!

MD90(〜V型まで) ¥76,000円(税抜き)

MD90(X型以降〜) ¥84,000円(税抜き)

・排気量アップ(エンジンチューニング)

さらに欲張ってパワーアップ!ここからあなたのバイクライフが無限に広がります!

代金別途相談 詳細は「MDのチューニング」の項目へ

 

  交換部品代は実際にエンジンを分解してみないと明確に算出できません。これは仕方の無いところです。

 ですが、お客様にとっては予算もありますし、何しろ決して安い買い物ではありません。

 エンジンが分解されるまで支払金額の不安が消えないのは私共も心苦しいところであります。

 以下に、交換の可能性が高い(今までの作業経験上から)部品を表記しておきます。参考にしてください。

 色付の項目は交換の可能性が高い部品です。

 追加部品の価格ですが、少なくとも約20,000円は追加になると思います。

 

・シリンダー、ピストン、ピストンリング 、ピストンピン 、ピストンピンクリップ

長く使用するとシリンダー・ピストン・ピストンリング等は磨耗し、圧縮漏れ・オイル上がり等の不具合をきたします。

今までの作業依頼でほぼ100%交換している部品です。

・カムチェーン、カムチェーンガイドローラー

カムチェーンもドライブチェーンと同様でいつかは伸びてしまうパーツです。

伸びてしまったカムチェーンはカムタイミングを狂わせ、本来のエンジンの調子を損なわせます。

オーバーホール時には必ず交換してほしいところです。

ガイドローラーは樹脂製品ですので、カムチェーンに接触する以上、必ず磨耗してガタガタになってしまいます。

・クラッチ板

これもエンジン内の代表的な消耗品パーツの1つです。

一昔前のMDエンジンでは「コルク」タイプが使用されており、これは交換時には今現在主流の「FCCペーパー」タイプに交換いたします。

・カムチェーンテンショナーロッド

ロッドの中には小さなボールが入っていて、これがロッド下の油圧を保ち、カムチェーンの張りを保っています。

良くこれが壊れていて、カムチェーンが暴れて異音を出しているものも見かけました。

MD90に関しては半自動調整式(セミオートカムチェーンテンショナー)が標準ですが、完全自動調整式(オートカムチェーンテンショナー)にもすることができます。変更希望のお客様は注文時にお申し出ください。

・カムシャフト、ロッカーアーム

カム山もやがては磨耗していきます。

カムシャフトはエンジンの性能を決める重要なパーツの1つです。

規定値を下回っていましたら、要交換です。

・プライマリードリブンギヤ

プライマリードリブンギヤとは一時減速(クランクシャフトと直接噛み合うギヤ)の部分です。

ギヤ内にはゴムダンパーが内臓されており、これがヘタるとミッションとの間にガタが生じます。

放っておくと変速時にショックが出てミッションに良くありません。

・ミッション部両端ベアリング

ガタやゴリゴリ感が見られた場合要交換です。

・クランクシャフト

高価な部品だけに、要交換はイタいです。

エンジンから一定周期の異音、「ウヮーン、ウヮーン」という様な音がしていたら交換の可能性があります。

・オイルポンプ

中はトロコイドポンプになっていて、壁面が傷付いていたりクリアランスが大きくなると、オイルの圧送能力が低下します。

オイルの供給が無くなってしまったら致命的です。

 

 基本工賃+オプション代金+部品代+送料1往復分=総額

 となります。

 エンジンをリフレッシュして、さらに楽しいMDライフを送ってみては如何でしょうか!

 

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